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ホウレンソウ「報告 連絡 相談の仕方」とその基本 上司から部下編その1

部下に指示を出している上司

前回までは「部下から上司」編として三回に渡り記事を書いてきましたが、今回からは「上司から部下」編となります。

部下に指示・命令する際の留意点

 

WORKの指示でなくTASKとしての指示を

「仕事」と英語の辞書を引くと「WORK、TASK」とあります。妥当かどうか自信はありませんが、私はWORKを作業、労働、TASKを職務、務めという具合になんとなく解釈しています。

WORKはこまぎれの仕事や比較的単純な作業、というのはいくつかのからWORK構成されているものと解する。すると、部下に仕事を指示する場合には単なるWORKではなく、もう少し広い意味の仕事、TASKとして指示したほうがよいのではないかと思います。

部下から報告がないといって不満を感じる場合、WORKとして指示してある場合が多いです。WORKとしての指示だと、それが終われば一件落着ということで、あえて報告しなくてもよいと思う人もいます。

たとえば「この部屋をきれいにしておいてください」という指示を出したとします。その指示では、整理整頓して掃除さえすればそれでよし!と理解させてしまうことになり、「きれいになりました」という報告はしなくてもよいと考えてしまう。

このケースでは、綺麗にしておいてほしいと指示した時に、あなたが部下にこの部屋の次の用途を事前に説明し、「片付きが終わり次第、この部屋には備品を搬入することになっていると」と話しておけば、「きれいになりました」という報告は必ずなされるのではないかと思われます。

場合にもよりますが、報告を求めるのであれば仕事はこまぎれのWORKではなく、繋がりのあるTASKとしてとらえ、その辺を説明することが必要です。

 

仕事の指示には言葉を省略しない

指示した仕事が終了したら当然報告があると思っていると、いつまでたっても報告がない。そんな場合、上司の言葉足らずの指示にも問題がある場合があります。そのくらいは言わなくても分かっているだろう、と思って言葉を省略するところに落とし穴があります。たとえば、あなたが部下に次の指示を出したとします。

「大至急、この書類をそれぞれ一部ずつコピーしてくれ」

部下はすぐコピーをとりに行ったものの、中々戻ってこない。会議の時間が迫ってきたので、会議に出席。そのあなたの元に、待てど暮らせど部下はコピーした書類を持ってきてくれない。じれた上司は会議室から部下に電話します。

「さっき頼んだコピーはどうなった?」

「コピーしました」

「コピーが終わったら、ここに持ってきてくれなきゃ困るよ」

「あれは会議で使うのですか」

「当たり前だ、早く持ってきてくれ」

上司がこの書類をこの後どのように使うのか、コピーが終わったら会議室に持ってきてくれということを明確に指示しておけば、部下はその通りしたでしょうが、上司は部下が気を利かしてくれるだろうという期待で、その後の使い方を説明しなかったところにギャップが発生してしまったのです。

 

指示をする時に周辺の説明も必要

仕事上の指示を出す場合、何をやってもらいたいかを具体的に伝えることが必要ですが、場合によってはその仕事に関連した周辺状況の説明をしておいたほうがよい場合が多いです。

なぜなら、仕事というものは一つだけ切り離して存在していることは少なく、何らかの形でつながっていることのほうが多いからです。人は、自分の仕事が全体の中でどういう役目を果たしているかを事前に説明され、それが分かっていると、何か問題が発生した時に臨機応変の働きができるものです。

クルマの連転を任された時、目的とドライプ計画の概要が示されていれば、途中で道をちょっと間違えても大筋としては間違わずに目的地に到達できます。それが、目的地を明らかにされずに次は左に、次は右に曲がれという指示では運転はしづらいし、やりがいも感じられません。人間の心理は

「自分が全体の流れに参加しているという意識があるのとそうでないのではまったく違う働きをする」そうです。

 

急成長をしている有名な会社Kの人事課長、Tさんの話

K社では採用シーズンになると入社志望者向けに説明会を何回か行います。K社は人気があるので、説明会参加希望者が非常に多く、Tさんと彼のスタッフだけでは対応が困難なので、その時には人材派遣会社に応援を依頼することにしています。

派遣されてきた人達にやってもらう仕事は学生の受付。具体的には、当日来た学生に会社の資料を渡し、学校名、学部、氏名等の必要事項を書いてもらい、説明会会場へ案内するという仕事です。

Tさんは事前にこの人達に作業要領を説明し、留意点を伝えると共にこの派遣されてきた人達にこの説明会が採用活動の中でどういう位置付けになっているか、この説明会の前に行ったこと、この説明会以降の段取りについても丁寧に説明するといいます。

「派遣されてきた人達はこの説明会一日だけで終わる人達なのに、何故そこまでやるのか」とTさんに聞くと彼は次のようにその理由を言いました。

学生達は受付にいる女性はK社の人事関係の人だと思っているから、この女性に「今日の説明会以降どのようなスケジュールになっていますか」などど聞いてくることがあるといいます。もし、この後のスケジュールを彼女達に話していないと、彼女達は「私達はそんなことは分かりません」と言わざるを得ません。

前後のことがよくわかっていればきちんと説明が出来、適切な対応が出来ます。学生達にとっても、彼女達のほうが色々聞きやすいのではないでしょうか。彼女達が的確に答えてくれれば、Tさん及びスタッフの手間は必要以上にかからなくてすみますし、そのエネルギーを他に割くことが出来ます。

人は、前後の関係がわかっていると適切な対応をしてくれるものだ、ということを実感しているTさんが仕事を依頼するときは、社内の人はもちろん社外の人にも必ず全体の流れを面倒くさがらずに、きちんと説明をするように心掛けているという。