メラトニンは自然の睡眠導入剤 眠りのリズムを整えてくれる
日本人は世界屈指の睡眠時間の短い国民です。かつてNHKが行った調査によると日本人の睡眠時間は欧米のどの国の人よりも短いという結果でした。
また、厚生労働省が調査した結果、成人の五人に一人が睡眠障害をかかえているともわかりました。睡眠不足は肥満や心臓病の原因になることが報告されています。
睡眠の質が悪いと様々な病気を引き起こす
また、睡眠の質が悪いと、血糖値の調節が障害されて糖尿病になる危険性のあることもわかってきています。さらに睡眠時間の短縮で、死亡率まで上がるという調査結果もあります。ですので、健康維持のためにはなんとかよく眠れるようにしたいものです。
では、どの程度眠ればよいのかというと、アメリカ癌学会が30歳以上の成人100人を対象に調査したところ、死亡率がもっとも低いのは6.5~7.5時間の睡眠を摂った成人だという結果でした。あくまでも目安ではありますが、このぐらいの睡眠時間を目標にするのがよいと考えます。
メラトニンは深夜の時間帯に多く出る
そして質の良い睡眠のためには、松果体という脳内器官から分泌されて睡眠~覚醒リズムの調節を行っているメラトニンといったホルモンをうまく利用することがポイントです。ヒトの生体リズムは本来25時間周期ですが、 メラトニンが眠気を起こさせると共に、生体リスムを24時間に調節してくれています。
メラトニンが分泌されて血中濃度が上がるにつれて眠くなってきますが、分泌量は加齢と共に減ってきます。このため、子供の頃は眠りの深かった人でも年齢を重ねると共に眠りが浅くなってきますので、メラトニン分泌を出来るだけ有効に活用する「よく眠れる」仕組みを作りましょう。
メラトニンは深夜の丑三つ時(1時~3時頃)によく分泌されますので、まずは夜更かしをしないことが大事です。
暗くなると分泌される睡眠成分「メラトニン」
それから、メラトニンは周辺が暗くなると(照度にして500ルクス以下。200ルクスが日没直後の居間、300ルクスが日の出、500ルクスが学校の事務室、750ルクスが百貨店売り場やオフィス)分泌されます。
室明内をなるべく暗めにしておくようにするとよいでしょう。そして眠っている間は、出来るだけ寝室を暗くしたほうがいいです。
サッと起きるには光でメラトニンの分泌を抑える事が大事
起床時にはサッとカーテンをあけるなり、パッと部屋のライトをつけるなりして出来るだけ部屋の中を明るくすると光の刺激によってメラトニンの分泌が抑えられ、すっきりと目を覚ます事が可能です。
雨の日は意味がないのかというとそうではありません。雨の日でも窓際では5000ルクス以上の光がありますので、メラトニンの分泌を十分抑える事は十分可能です。治安上で問題がないようでしたら、あらかじめ朝日が部屋に差し込んでくる様にしておくと自然に目覚める事が可能です。
音で起きるのが一番確実なのかもしれませんが、やはり音で起きるのと光で起きるのとでは、目覚めの良さが違ってきます。 ※ルクスはスマートフォンのアプリでの計測も可能です。
ルクス計測アプリ(iOS)
ルクス計測アプリ(Android)
照度計 Luxmeter - Google Play
Lux Meter - Google Play
眠りの質を追求するには寝具にも気を使う必要がある
枕はあまり薄い(三センチ以下)とよい睡眠が得られません。そして布団の中は、あたたかすぎないように(33℃が最適)そして湿度が高くならないように (55%が最適)しておくのがいいでしょう。
また、適度に体を温めておいて冷えはじめに寝床に入るようにするのも効果的です。あまり熱くないお風呂に入ったあとで、体が冷え出したぐらいに布団に入るとよく眠れます。お風呂上りすぐだと逆に暑くて眠れなくなってしまう可能性があるからです。
寝る前のアルコール摂取はかえって眠りの質を下げる?
軽い運動後でも同様の効果が得られますが、運動しすぎると交感神経が興奮してかえって眠りを妨げるので注意が必要です。寝る前のアルコール摂取はかえって頭を興奮させるのでこれも眠りの質を上げる、という意味では逆効果。お酒で眠気を誘うためには、多くのアルコールが必要となってきます。
なお、寝つきが悪かったり眠りが浅かったりすると朝になってもいつまでも布団の中に入っていたくなりますが、睡眠の質の量や質を改善させるためにはむしろ早起きをしてしまうのがいいでしょう。二度寝もかえって質を悪くしてしまうのでアウトです。
先行する断眠時間が長いほど睡眠の量や質は向上しますので、思いきって早起きをしてそのまま頑張って一日を過ごすようにすると、その日はよりよい睡眠が得られます。長時間の昼寝で睡眠不足を補おうとすると、かえって逆効果なのでご注意を。昼寝や休憩で睡眠をとる時は一度に30分程度までにしましょう。
サプリメントでメラトニンを手軽に補給する
ビタミンB12にもメラトニンのような生体リズムの調節作用があることがわかっていますので、どうしても夜型になりがちな方は、ビタミンB12をサプリメントなどから摂取するようにしてみるといいでしょう。
ビタミンB12は水溶性ビタミンですので、摂りすぎによる過剰症の心配はまずありません。また、L-トリプトファンというサプリはメラトニンの原料です。早く効果を実感したい人はこちらを飲むといいでしょう。
以上を参考に、ぜひ「よく眠れる」仕組みを作ってみてください。
睡眠物質メラトニンを作り出してくれるサプリ